網膜色素変性症の診断 その2

つづきです。

検査当日は、当時kanaの主担任をして下っていたK先生と保健のT先生が付き添って下さいました。
担任として、保健担当としての役目もあるでしょうが、一番は私が受けるダメージへの配慮だったと思います。

初めての場所で初めての検査を受けるkanaちゃんは、小学2年生の小さな体で頑張りました。
大暴れしたり大声出したり色々心配してたのですが、お茶とパンやキャンデーを用意していた事も助けになりました。
初めましての眼科の先生は、ちょっとトーンが高めの声でお話になるKu先生。
網膜の様子を診る前に、通常の視力やら目の状態を検査します。
視力そのものは0.7~9程度あったようで、その先生が

「この子は見えてるな~。聞いてたよりちゃんと見えてるな。」

とハキハキ仰った物ですから、(ん?見えてるんや??)
と思って、(じゃ~、網膜色素変性症じゃないのかな?)・・ってね、一瞬喜んでしまったんですね、私。
しかし、その後に目薬を点眼し40分ほどしてから暗い部屋の中で網膜の状態を診ていただいてからの言葉に、私は一瞬の喜びを吹き飛ばされてしまったのでした。

「うん、そうやね。う~ん・・色素沈着してるね。」

(え??)

「kanaちゃんの網膜はね、通常、人の網膜と言うのは綺麗なピンク色なんですけども、こうやって・・」

と、何かの裏紙にぐるりと大き目の円を描いて円の中心から真ん中くらいまではそのままで、その周りから外周にかけてを点々・・・・ってぐるりと点で覆いながら

「こんな感じで、中心部分はピンク、この辺から(中央部分)色素の沈着で円状に灰色みたいになってるので、ここの視野が欠けていると思われますね。」

「多分だけど、この子の視野はこういう状態と想像できますね。」

と、両手で丸い筒を作ってその中を覗き込むように見せながら仰ったのです。
お遊戯なんかで、まる~~~♪ って歌いながら顔の前で形を作る、あの丸です。

「この病気は将来進行すると、この丸の部分が小さくなっていって、、、そうやね、成人する頃には見えなくなる可能性もあると診断できますね。あくまでも、進行度合いによるし、見えなくなる人ならない人個人差があるけどね。」

『それは、どうにかして治療できないんですか?』

事前にネットで調べて、治療法が見つかっていないと判ってても、思わず聞かずにはいられなかった。

「そうですね。今のところ、確実な治療法は見つかっていません。
太陽の光が良くないといわれてサングラスをかけたりして予防する方法を実施する人はいますけど。」

kanaがサングラスで生活できるわけが無い・・・

『じゃぁ・・ただ黙って、この子が成長するにつれて段々見えなくなるのを見てるだけってことですか?』

ここまで喋った後、いきなりドォォ・・・・っと現実の波が押し寄せてきたような、体に電気が走ったような感覚が来て、それは想像していなかった感覚で・・思わずkanaをギュッと抱きしめて、声が出なくなってしまいました。
そんな私に、主治医の先生は

「そうですね・・今はそうです。」

としか答えられないわけで。

今でも、あの時の空気は鮮明に覚えています。
2人も学校から先生が付き添って下さっているのだし、心配かけるわけには行かない、絶対に何を言われても泣かずに帰ると決めていたんですけど、この日はダメでした。
診察室は、一般の診察が終わって患者はkanaだけなのに看護師さんやスタッフさんは沢山おられたので、その瞬間みなさんがジーーッと動かなくなってピタリと空気が止まってしまったような感じになりました。

(あかんあかん・・この雰囲気はあかん。)

そう思ってても、すぐに立て直す事ができなくて困りました。
保健のT先生が背中をさすってくれながら、大丈夫大丈夫、ゆっくりでいいからね、無理することないからね・・と声をかけて下さってました。
優しい・・・ありがたい・・・。我慢できなくてすみません・・って気持ちでした。

なんとか立ち直り、この病気の方みんながみんな見えなくなるのかとか、この子は知的な障害も重いんだけど、同じような子を先生は診察した事があるのか・・など質問した記憶があります。
先生は、網膜色素変性症の子供は何人も見ているけども、アッシャー症候群と思われる子供はkanaが初めてなのだそうです。

立ち直った後は、ここでぐずぐずしててもショウガナイ、と。
今後の事を聞いて、satoとayaが私の帰りを待っているから、早く保育園に迎えに行ってあげなくちゃ・・と、気持ちを切り替える事が出来てました。不思議な物です。

付き添って下さった先生へは、感謝、感謝です。
1人でも大丈夫だったと思ってた私ですが、ショックな時は素直にショックだと表に出せなきゃ、後が持たないよな・・って思いました。

まだ8歳のkana。生まれて、8年しかたっていないkanaに、また一つ生まれつきの症状の診断がつきました。
頂いた診断書には、「網膜色素変性症の疑い」。

この子1人になんでやろう。いったい何を試されているんやろう。
こんなに生きにくいことを重ねて持って生まれてきて、kanaは幸せと言えるんだろうか。
色んな思いで頭がいっぱいになりました。
けれど、もし本当に見えなくなる日が来るとしたら、私達にできるのは、kanaの頭の中に私達の笑顔を沢山沢山埋め込んでおくことなんじゃないかと思いました。
怖い顔の家族や友達じゃなく、ニコニコ笑っている私達。
kana自身にも、楽しい嬉しい経験を沢山覚えてもらうこと。
育てることは、楽しいことばかりじゃないから、怖い顔もし巻く手はいけないから難しいけど、とにかく沢山笑って過ごさないとなって思いました。


(2010.2.22 過去の別ブログ下書きより転記)
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by pannie_angel | 2005-08-01 11:34 | kana/網膜色素変性症 | Comments(0)


子育ては山あり谷あり♪ハンディを持って生まれた長女と双子の妹達3人の天使に翻弄される、あわてんぼうママの徒然日記です。(天使のイラスト/ 素材サイト「ブルーグリーン」)


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